看護師の有給休暇取得率が低いわけ
看護師が有給休暇の取得率が低い理由は、職場環境にある。
具体的には、看護師はシフト制で労働時間帯と昼夜勤で仕事をしているためだ。看護師のシフトは担当患者や治療計画に基づいてつくられているため、何としても自分が対応しなければ他の人に迷惑をかけてしまうという罪悪感を持つ傾向が高まっている。
このような背景には、看護師一人ひとりの役割が明確で、代役がいない状態であるためだ。つまり、看護業界は常に人手不足であるといえる。
看護師の人材に恵まれているのは利益の出ている病院で、そこに転職する人材流出も背景に挙げられる。さらに研修やローテションなど、様々な諸事情もシフト編成に考慮されている。
実際に看護師の勤務は忙しい。つまり休日出勤が多く、その代休として休むため、有給休暇を取得する機会に恵まれていない状況だ。
看護師が実際に有給休暇を取得できるケースは、忌引きであったり家族の看病であったり、誰もがしょうがないと納得してくれるものだけだろう。さらに、明らかに閑散期で休みやすい雰囲気が年間にわずかな期間あり、職場が休んでもいい雰囲気になれば、各看護師は自発的に有給休暇を取得できる。
つまり、周りに迷惑をかけない有給休暇の取得にとどまっているため、看護師の取得率は低くなっている。
これを改善すべく、看護師の団体が声を上げて病院側と交渉している事例もある。具体的には、看護師の補充やワークシェアなど協力体制を作るといった取り組みが行われている。